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論文

Inelastic X-ray scattering of $$RT$$Al$$_3$$ ($$R$$ = La, Ce, $$T$$ = Cu, Au)

筒井 智嗣*; 金子 耕士; Pospisil, J.; 芳賀 芳範

Physica B; Condensed Matter, 536, p.24 - 27, 2018/05

 被引用回数:3 パーセンタイル:15.56(Physics, Condensed Matter)

Inelastic X-ray scattering (IXS) experiments of RTAl$$_3$$ ($$R$$ = La Ce, $$T$$ = Cu, Au) were carried out at 300 and 5.5 K. The spectra between LaCuAl$$_3$$ and CeCuAl$$_3$$ (LaAuAl$$_3$$ and CeAuAl$$_3$$) are nearly identical at both temperatures except for temperature factors such as temperature dependence of Bose factor in IXS spectra and effect on thermal expansion. This means that no evident temperature dependence of IXS spectra was observed in CeTAl$$_3$$ ($$T$$ = Cu, Au).

論文

Liquid-like thermal conduction in intercalated layered crystalline solids

Li, B.; Wang, H.*; 川北 至信; Zhang, Q.*; Feygenson, M.*; Yu, H. L.*; Wu, D.*; 尾原 幸治*; 菊地 龍弥*; 柴田 薫; et al.

Nature Materials, 17(3), p.226 - 230, 2018/03

 被引用回数:121 パーセンタイル:96.83(Chemistry, Physical)

As a generic property, all substances transfer heat through microscopic collisions of constituent particles. A solid conducts heat through both transverse and longitudinal acoustic phonons, but a liquid employs only longitudinal vibrations. As a result, a solid is usually thermally more conductive than a liquid. In canonical viewpoints, such a difference also serves as the dynamic signature distinguishing a solid from a liquid. Here, we report liquid-like thermal conduction observed in the crystalline AgCrSe$$_{2}$$. The transverse acoustic phonons are completely suppressed by the ultrafast dynamic disorder while the longitudinal acoustic phonons are strongly scattered but survive, and are thus responsible for the intrinsically ultralow thermal conductivity. This scenario is applicable to a wide variety of layered compounds with heavy intercalants in the van der Waals gaps, manifesting a broad implication on suppressing thermal conduction. These microscopic insights might reshape the fundamental understanding on thermal transport properties of matter and open up a general opportunity to optimize performances of thermoelectrics.

論文

Neutron scattering study of spin fluctuations in La$$_{2-x}$$Sr$$_{x}$$CuO$$_{4}$$ by four-dimensional mapping of neutron cross-sections using the 4SEASONS chopper spectrometer

脇本 秀一; 池内 和彦*; 新井 正敏; 藤田 全基*; 梶本 亮一; 川村 奨*; 松浦 直人*; 中島 健次; 山田 和芳*

JPS Conference Proceedings (Internet), 8, p.034013_1 - 034013_6, 2015/09

Previous neutron results of La$$_{2-x}$$Sr$$_{x}$$CuO$$_{4}$$ (LSCO) by TOF measurements revealed that magnetic dynamical structure factor has a maximum at $$sim$$ 18 meV. To clarify the origin of the maximum, we carried out 4 dimensional mapping of dynamical structure factor $$S(Q, omega)$$ to see details of both magnons and phonons. We found that $$x$$ = 0 shows ordinary spin waves while $$x$$ = 0.08 shows a maximum at $$sim$$ 18 meV where $$Q$$-independent phonon branch crosses. This imply that in superconducting compositions phonon may also indirectly related to the superconductivity.

論文

Development of a neutron-imaging detector based on pulse-height correlation between two superconducting tunnel junctions on a Li$$_{2}$$B$$_{4}$$O$$_{7}$$ crystal

中村 龍也; 片桐 政樹; Chen, Y. E.*; 浮辺 雅宏*; 大久保 雅隆*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 559(2), p.766 - 768, 2006/04

 被引用回数:13 パーセンタイル:65.83(Instruments & Instrumentation)

Li$$_{2}$$B$$_{4}$$O$$_{7}$$単結晶上に製作した2つの超伝導トンネル接合素子(STJ)フォノンセンサによる波高相関型中性子イメージング検出器の開発を進めている。本検出器では、単結晶基盤の構成元素である$$^{6}$$Liあるいは$$^{10}$$Bと中性子の核反応の結果生じる励起フォノンを結晶表面に製作されたSTJ素子により計測することで中性子を検出し、2つの素子からの波高相関により入射位置を決定する。熱中性子に対してほぼ100%の検出効率、低バックグランド、数10$$mu$$mの位置分解能、数$$mu$$sの時間応答、耐放射線性が期待できる。今回われわれは試作した検出器の特性を冷中性子ビームを用いて検証した。その結果、製作した二つのSTJ素子の波高相関測定から位置検出可能であることを確認したので報告する。

論文

Doping dependence of softening in the bond-stretching phonon mode of La$$_{2-x}$$Sr$$_x$$CuO$$_4$$ (0$$leq x leq$$0.29)

福田 竜生; 水木 純一郎; 池内 和彦*; 山田 和芳*; Baron, A. Q. R.*; 筒井 智嗣*

Physical Review B, 71(6), p.060501_1 - 060501_4, 2005/02

 被引用回数:58 パーセンタイル:86.24(Materials Science, Multidisciplinary)

La$$_{2-x}$$Sr$$_x$$CuO$$_4$$ ($$x$$=0.12, 0.29)のX線非弾性散乱実験を行い、[100]方向へのCu-O伸縮フォノンを調べた。このLOフォノンモードは、$$x$$の増加に伴い、$$x<$$0.15でエネルギーの低下(ソフトニング)が存在することが中性子散乱実験によりわかっていたが、今回、$$x$$=0.29の試料ではソフトニングが回復していることがわかった。$$x$$=0.29は超伝導相が抑制され、典型金属相になっている。これは、このLOフォノンモードと超伝導との一対一対応があることを示唆する結果である。

論文

Phonon anomaly on Na$$_x$$HfNCl superconductors with ${it T}$$$_c$$=22 K

社本 真一; 平井 淳郎*; 山中 昭司*; 阿曽 尚文*; 梶谷 剛*

Journal of Neutron Research, 12(4), p.295 - 300, 2004/12

T$$_c$$=22Kのx=0.27と0.38のNa$$_x$$HfNCl超伝導体について、中性子粉末非弾性散乱実験を行った。その結果、例えば前者の試料では、E=15, 29, 76と81meVで、温度に依存したフォノン異常が見つかった。そのなかで、Q=6$AA $^{-1}$$で、E=14.5meVのフォノン異常は両方の試料で再現され、T$$_c$$よりもずっと高い40Kから、その異常が始まることを見つけた。 そのフォノンは、ab-面内のE$$_u$$モードであり、おもに塩素とハフニウム原子が振動している。この振動は、バンド構造を変調するものである。キャリアの不均一性の観点から、フォノン異常を議論した。

論文

Discrimination of neutrons and $$gamma$$ ray by a neutron detector comprising a superconducting tunnel junction on a single crystal of Li$$_{2}$$B$$_{4}$$O$$_{7}$$

中村 龍也; 片桐 政樹; 曽山 和彦; 浮辺 雅宏*; 池内 隆志*; 大久保 雅隆*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 529(1-3), p.402 - 404, 2004/08

 被引用回数:8 パーセンタイル:48.81(Instruments & Instrumentation)

Li$$_{2}$$B$$_{4}$$O$$_{7}$$単結晶上に製作した超伝導トンネル接合素子(STJ)による低温中性子検出器の中性子/$$gamma$$線弁別性能を評価した。本検出器はLiあるいはBでの中性子核反応の結果励起される多数の低エネルギーフォノンを単結晶表面に製作されたSTJ素子により測定することで中性子を検出する。本検出器のX線(5.9keV),$$gamma$$線(1.17, 1.33MeV)、及び中性子に対する放射線応答特性を詳細に測定した結果、STJ素子のフォノン検出信号波形の立ち上がり時間が放射線種により異なることを初めて明らかにし、この特徴を利用することで$$gamma$$線,X線などのバックグランド信号と中性子信号とを簡便に弁別できることを確認した。

論文

中性子科学と高圧力; 非弾性散乱と圧力誘起相転移

藤井 保彦

高圧力の科学と技術, 14(2), p.113 - 118, 2004/05

高圧力下における中性子散乱実験の特徴、特に中性子非弾性散乱は相転移の微視的機構解明のうえで優れた実験手段を提供することを解説している。中でもソフトフォノンモードによるペロブスカイト化合物の圧力誘起相転移を典型例として紹介するとともに、単純金属のフォノンの振る舞いやスピンパイエルス化合物における磁気非弾性散乱によるスピン励起の圧力変化の実験例を挙げ、将来的にJ-PARCへの高圧力グループの積極的な参加を呼び掛けている。

論文

Phonon density of states in Sr$$_{2}$$FeCoO$$_{6-delta}$$ and SrBaFeCoO$$_{6-delta}$$; Effects induced by magnetic order and transport coherence

Rykov, A. I.*; 野村 貴美*; 澤田 嗣郎*; 三井 隆也; 瀬戸 誠*; 為ヶ井 強*; 徳永 将史*

Physical Review B, 68(22), p.224401_1 - 224401_7, 2003/12

 被引用回数:8 パーセンタイル:42.93(Materials Science, Multidisciplinary)

遷移金属酸化物Sr$$_{2}$$FeCoO$$_{6-delta}$$, SrBaFeCoO$$_{6-delta}$$の低温での磁気相転移温度近傍における核共鳴非弾性散乱測定を行った。測定結果では、転移温度(Tc$$sim$$150K)に温度を下げるのにしたがい、非弾性散乱スペクトルの低エネルギー成分(14meV)に見られるピークが顕著に増加し、転移温度以下では分裂することが観測された。また、Tc以下では、20meV近傍のメインバンドエッジ部に顕著なソフトニングも観測された。本論文では、実験結果についての報告と、格子振動のソフトニングが、材料の磁気相転移発現時の超交換相互作用の変調効果によるものであることを示す。

論文

Site-specific phonon density of states discerned using electronic states

瀬戸 誠; 北尾 真司*; 小林 康浩*; 春木 理恵*; 依田 芳卓*; 三井 隆也; 石川 達雄*

Physical Review Letters, 91(18), p.185505_1 - 185505_4, 2003/10

 被引用回数:31 パーセンタイル:78.04(Physics, Multidisciplinary)

われわれは、放射光核共鳴非弾性散乱法と時間領域の核共鳴散乱測定法を組合せて利用することで、マグネタイトの幾何学的に異なるA,Bサイトに存在するFe元素の格子振動状態を分離測定することに世界で初めて成功した。このような元素とサイトを同時に特定したフォノン状態密度測定は中性子非弾性散乱法等では不可能なもので、副格子系材料の相転移機構の研究を格子振動の観点から、より精密に調べることができるようになった。

報告書

黒鉛の格子振動の温度依存性と比熱の解析(協力研究)

仁平 猛*; 岩田 忠夫*; 岩瀬 彰宏

JAERI-Research 2001-045, 33 Pages, 2001/11

JAERI-Research-2001-045.pdf:1.27MB

KomatsuとNagamiyaによって提案された黒鉛の格子振動の半連続体モデルは、格子振動の分散関係を解析的に表すことに成功した唯一のもので、分散関係の表式には層面間距離$it crm,$弾性定数C$$_{11}$$,C$$_{12}$$,C$$_{13}$$,C$$_{33}$$,C$$_{44}$$及び$$kappa$$がパラメータとして含まれている。ここで、$it crm$rhokappa^{2}$$は層面の曲げの弾性定数,$$rho$$は密度である。われわれは、これらのパラメータを温度の関数として取り扱うことにより、この半連続体モデルを改良する。$$kappa$$以外のパラメータには既知の実験データ及びそれらから導いた関係を用いる。$$kappa$$は、改良した半連続体モデルによる比熱の計算値を実験値に一致させることにより、温度の関数として求める。改良した半連続体モデルは、360K以下の広い温度範囲にわたって比熱の実験値をよく説明し、その温度範囲で熱伝導などの解析に用いることができる。$$kappa$$は温度上昇とともに著しく減少するが、これはout-of-planeモード振動のsofteningが起こることを示す。比熱の実験曲線の温度による2階微分は格子振動の振動数分布についての情報を与える。低温比熱の解析から、C$$_{44}$$の室温の値は0.415$$times$$10$$^{11}$$dyn/cm$$^{2}$$であると確定される。

論文

Thermal conductivity of technetium

湊 和生; 芹澤 弘幸; 福田 幸朔

Journal of Alloys and Compounds, 267, p.274 - 278, 1998/00

 被引用回数:7 パーセンタイル:49.92(Chemistry, Physical)

テクネチウムの熱拡散率を直径5mm、厚さ1mmの試料を用いて、室温から1173Kまで、レーザーフラッシュ法により測定した。熱拡散率は、温度の上昇にともない減少したが、600K以上の温度では、ほとんど一定であった。測定した熱拡散率及び試料の密度、ならびに比熱容量の文献値から、テクネチウムの熱伝導率を導出した。熱伝導率は400K付近で極小値を示した後、温度とともに上昇した。測定した熱伝導率を電子による寄与成分とフォノンによる寄与成分に解析的に分離した。温度上昇にともなうテクネチウムの熱伝導率の上昇は、電子による寄与成分の上昇のためであると考えられる。

論文

Optically active vibrations of doped lanthanum copper oxide compound(La$$_{2-x}$$M$$_{x}$$CuO$$_{4}$$)

大和田 謙; 藤沢 銀治

Applied Spectroscopy, 47(3), p.296 - 299, 1993/00

 被引用回数:2 パーセンタイル:36.77(Instruments & Instrumentation)

無限[(CuO$$_{2}$$)O$$_{2}$$]$$^{6-}$$層状構造(点群;D$$_{4h}$$)を仮定して、高温超伝導体である金属置換ランタン銅酸化物(La$$_{2-x}$$M$$_{x}$$CuO$$_{4}$$)の光学活性格子振動(フォノン)の解析を行った。この解析結果に基ずいて、これまでに観測された比較的高波数領域の赤外・ラマン吸収帯を銅-酸素(Cu-O)光学活性格子振動に帰属することができた。また、原子価力場を仮定して、銅-酸素結合に関する力の定数を得ることができた。無限層状構造を取り扱う本解析法は、La$$_{2-x}$$M$$_{x}$$CuO$$_{4}$$の第一ブリルアン・ゾーンの中心(零波動ベクトル)における光学活性基準振動を帰属するのに有用であることがわかった。

論文

Lattice instability of premartensitic $$beta$$$$_{1}$$ phase in Cu$$_{3}$$Al(+Pd) alloy under uniaxial pressure

永澤 耿*; 桑原 敦子*; 森井 幸生; 渕崎 員弘; 舩橋 達

Mater. Trans. JIM, 33(3), p.203 - 207, 1992/03

 被引用回数:17 パーセンタイル:75.77(Materials Science, Multidisciplinary)

超音波パルスエコー法、X線及び中性子回折法を用いて、プレマルテンサイト相$$beta$$$$_{1}$$-Cu-27.0Al-5.5Pd合金の一軸応力下における格子振動の不安定性について調べた。(110)面間力についての非調和項が大きいために[001]一軸応力下での[110]TA$$_{1}$$フォノンエネルギーが極めて小さくなり、この振動モードの不安定性が増すことが判明した。この面間力解析によって[001]応力下で誘起されるマルテンサイト相は18R(又は9R)構造を持つと予想される。

論文

Defect recovery in FCC metals irradiated with 0.5 - 126 MeV energetic ions

岩瀬 彰宏; 岩田 忠夫; 仁平 猛*; 佐々木 茂美

Mater. Sci. Forum, 97-99, p.605 - 614, 1992/00

FCC金属(Al,Cu,Ag,Ni,Pt)を0.5-126MeVの各種イオンで10K以下において照射し、300Kまでのアニール実験を行った。低エネルギーイオン(≦1MeV)照射の場合は、いづれの金属においても、ステージIにおける照射欠陥回復量はPKAエネルギーによってよくスケールされる。一方、高エネルギーイオン(~100MeV)照射したNi,Ptでは、ステージIの著しい減少、あるいは消失が起こり、さらにこの現象は電子的阻止能と大きく関連している。Cu,Agではこのような異常は見られない。以上の結果は次のように説明できる;Ni,Ptの場合、高エネルギイオン照射によって高密度励起された電子のエネルギーが強い電子-格子相互作用を通じて格子系に伝達され、ステージI欠陥の消滅をもたらす。一方、Cu,Agでは電子-格子相互作用が弱いため、照射中のステージI欠陥の消滅は専ら弾性的相互作用によって支配される。

論文

Lattice instability in $$beta$$$$_{1}$$-AgZn

森井 幸生; 永澤 耿*; 松尾 欣枝*; 舩橋 達; H.R.Child*; R.M.Nicklow*

Journal of the Physical Society of Japan, 60(12), p.4160 - 4166, 1991/12

 被引用回数:3 パーセンタイル:41.04(Physics, Multidisciplinary)

中性子非弾性散乱と散漫散乱によって$$beta$$$$_{1}$$-AgZn合金の相変態を研究した。結晶主軸に沿ってフォノン分散関係を測定した結果、超音波実験から予測されていた[$$zeta$$$$zeta$$$$zeta$$]LAフォノンモードの異常は観測されず、むしろ[$$zeta$$$$zeta$$$$o$$]TA$$_{1}$$および[$$zeta$$$$zeta$$-2$$zeta$$]TAモードのエネルギーが非常に小さい異常とこれらのモードに関連する散漫散乱が見い出された。この格子不安定性が$$beta$$$$_{1}$$相から$$zeta$$相やマルテンサイト相への相変態で重要な役割を担っていることが判明した。

論文

Radiation annealing in nickel and copper by 100 MeV iodine ions

岩瀬 彰宏; 岩田 忠夫; 佐々木 茂美; 仁平 猛*

Journal of the Physical Society of Japan, 59(4), p.1451 - 1457, 1990/04

 被引用回数:12 パーセンタイル:67.54(Physics, Multidisciplinary)

あらかじめ簡単な欠陥をドープしたNi、Cuにおける100MeV Iイオンによる照射アニーリングについて、10k以下での損傷生成率の測定により調べた。実験結果は複数の種類の欠陥の生成・消滅を記述した新しいモデルを用いて解析した。その結果NiにおいてはステージIの熱アニーリングに相当する欠陥の消滅が照射中に起こり、その消滅断面積は6.5$$times$$10$$^{-12}$$~1.4$$times$$10$$^{-12}$$cm$$^{2}$$であった。一方Cuにおいては、ステージIアニーリングに相当する欠陥の照射中における消滅断面積は4.6$$times$$10$$^{-13}$$cm$$^{2}$$であった。Cuに比べてNiにおける照射アニーリングが大きく現われるのは、原子格子相互作用を通じて、イオンによって励起された電子のエネルギーが格子系に伝わり、照射アニーリングに寄与したものである、と結論した。

論文

Optically active vibrations of lanthanum copper oxide compound(La$$_{2}$$CuO$$_{4}$$)

大和田 謙

Spectrochimica Acta, Part A, 45(11), p.1137 - 1143, 1989/11

ペロブスカイト型K$$_{2}$$NiF$$_{4}$$構造を仮定して、高温超伝導体の基本物質であるランタン銅酸化物(La$$_{2}$$CuO$$_{4}$$)の光学活性格子振動(フォノン)の解析を行った。この解析結果に基づいて、これまでに観測されたすべての赤外・ラマン吸収帯を分子内銅-酸素(Cu-O)振動および光学活性格子振動(La…CuO$$_{6}$$)に帰属することができた。また、原子価力場を仮定して、銅-酸素結合およびランタン-酸素結合に関する力の定数を得ることができた。結晶振動を取り扱う本解析法は、La$$_{2}$$CuO$$_{4}$$の第一ブリルアン・ゾーンの中心(零波動ベクトル)における光学活性基準振動を帰属するのに有用であることがわかった。

論文

The Effect of gadolinium content on the thermal conductivity of near-stoichiometric(U,Gd)O$$_{2}$$ solid solutions

福島 奨; 大道 敏彦; 前多 厚; 渡辺 斉

Journal of Nuclear Materials, 105(2), p.201 - 210, 1982/00

 被引用回数:82 パーセンタイル:98.6(Materials Science, Multidisciplinary)

BWR用バーナブルポイゾンとして使用されているUO$$_{2}$$-GdO$$_{1}$$$$_{.}$$$$_{5}$$系燃料のうち、化学量論に近い(U,Gd)O$$_{2}$$(0~15モル%GdO$$_{1}$$$$_{.}$$$$_{5}$$含有)の熱伝導度をレーザフラッシュ法により700~2000Kで測定した。その結果、次のことが明らかになった。(1)熱伝導度はドリニウム濃度が増大するとともに次第に減少する。(2)熱伝導度の温度変化は約1600Kまでフォノン伝導の式:K=(A+BT)$$^{-}$$$$^{1}$$を満足する。(3)格子欠陥熱抵抗の測定値は、結晶格子中のU$$^{4}$$$$^{+}$$,U$$^{5}$$$$^{+}$$およびGd$$^{3}$$$$^{+}$$イオンをフォノン散乱の点欠陥と考えた格子欠陥モデルに基づいて計算した結果とよく一致する。(4)格子欠陥熱抵抗に及ぼす結晶格子の歪の効果は、質量の違いの効果に比べて大きい。(5)1600Kまでの熱伝導度は次式で一般に表される。K=K$$_{U}$$$$_{O}$$$$_{2}$$/(K$$_{U}$$$$_{O}$$$$_{2}$$・We+1)(K$$_{U}$$$$_{O}$$$$_{2}$$:UO$$_{2}$$の熱伝導度、We:(3)のモデルに基づく欠陥熱抵抗)

論文

Thermal conductivity of irradiated graphite

仁平 猛*; 岩田 忠夫

Point Defects and Defect Interactions in Metals, p.236 - 238, 1982/00

黒鉛の中の点欠陥によるフォノンの散乱を熱伝導度の測定により調べた。点欠陥の導入は80Kにおける電子照射、及び60$$^{circ}$$C、200$$^{circ}$$C、900$$^{circ}$$Cにおける中性子照射により行った。熱伝導度の温度依存性を緩和時間近似により解析して、次の結果を得た。(i)80Kにおける電子照射の場合には、格子間原子によるフォノン散乱が支配的である。このフォノン散乱の緩和時間はフォノンの振動数に逆比例する。即ち、T$$^{-}$$$$^{1}$$=Bw,ここでB=1.1$$_{4}$$$$times$$10$$^{-}$$$$^{5}$$for 1 ppm of interstitial atomsである。(ii)60$$^{circ}$$C及び200$$^{circ}$$Cの中性子照射の場合には、格子間原子の小さな集合体によるフォノン散乱が支配的であった。また、フォノンの共鳴散乱が観測された。(iii)900$$^{circ}$$Cの中性子照射の場合には、結晶粒界によるフォノン散乱(カシミール散乱)が増大した。これは、格子間原子集合体の規則的な配列により結晶粒が細分化されたことを示している。

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